TFCC損傷（三角繊維軟骨複合体）

①転倒などの外傷：手をついた際に、TFCCが骨に挟まれて損傷をきたす場合があります。スポーツ競技の場合は、転倒を防ぐ事はなかなか難しいのが現状です。しかし一般の方の場合、足が上がっていないなど、筋力や柔軟性の不足による転倒であれば、日頃のトレーニングやストレッチで、発生を防ぐ事は可能です。腸腰筋や大腿四頭筋とトレーニング・臀筋群のストレッチなどを行うようにしましょう。

②オーバーユース：テニスや野球など、グリップ競技でのオーバーユースで発生する場合もあります。グリップ競技の場合ですと『手打ち』にならないよう、体の使い方を学習する事が必要です。『手打ち』になる場合、体幹・股関節の回旋に対する連動性が低下している事が多いので、胸椎・股関節に対してモビリティエクササイズを行い。スムーズな回旋動作を覚えていく必要があります。

③加齢による腱の変性・リウマチや痛風などの基礎疾患：残念ながら、TFCCも経年劣化により弱くなってしまいます。長年使う事で、組織自体に微細な亀裂が生じ、脆くなってしまいます。慢性的な痛みが生じる場合、腱内部に毛細血管が侵入し、それに引っ張られて神経も入り込んできます。痛みを感じやすくなってしまうので、日常的なケアをしっかり行うようにしましょう。また、基礎疾患（リウマチや痛風）をおもちの場合も、TFCCを起こしやすいと言われています。関節への悪影響が出る基礎疾患をお持ちの方は、担当医の指示に従って頂きながら、食事面を含めて改善が必要です。