野球肘
野球肘とは、投球動作の繰り返しによる慢性障害の1つで、内側型・外側型・後方型の3種類に分類されます。投球動作で、肘には牽引・圧迫力が加わり、成長段階の骨や靱帯に影響を与えてしまいます。その為、投球数の制限だけでなく、正しい投球フォームの獲得、適度な柔軟性と筋力強化を含めたコンディショニングが必要になってきます。
お悩み症状
Trouble
- 肘を曲げると痛い
- 肘の曲げ伸ばしで引っかかる感じがする
- 投げる時に、肘の内側や外側に痛みがある
- フォロースルーで肘の後ろが痛い
- 投げる時に、小指側に痺れのような痛みが出る
- 全力で投げ続けれない
原因
Cause
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①投球動作によるエラー:投球動作で問題となる『体の開きが早い・肘下がり』の状態だと、結果的に肘関節へのストレスを引き起こしてしまいます。コッキング期で、体幹の開きが早く起こるフォームだと、肩甲上腕関節の前面にストレッチがかかってしまいます。また肘下がりの投球フォームだと、肩甲骨の上方回旋が不足してしまい、肘関節への外反ストレスが大きくなってしまいます。投球動作ではSSE(shoulder-shoulder-elbow)ラインでのボールリリースをする事で、偏った関節へのストレスを軽減しながら、パフォーマンスを上げる事が可能になります。
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②肩甲胸郭関節・体幹など、他の関節の柔軟性不足:肩関節の動きは、肩甲骨や体幹を含む連動した動きで成り立っています。その為、どこかの関節の柔軟性低下が影響して、肩甲上腕関節が過剰に使いすぎている場合もあります。例えば、ボールを投げるピッチング動作で、肩甲骨の上方回旋(上にスライドする動き)が不足すると、それを補うために肩甲上腕関節での過剰な外転・外旋運動が生じてしまいます。その状態が繰り返し起こる事で、徐々に炎症を起こしてしまいます。リハビリでは、他の関節も含めた総合的なアプローチが必要になってきます。
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③日々のケア不足:成長期におけるオーバーワークを防ぐには、日々のケアがとても重要です。『骨の成長+筋肉』の疲労がセットで起こると、どうしても筋肉の付着部でストレスが発生してしまいます。投球前後のストレッチ・投球後のアイシングは、痛みなく安全にプレーするために必要不可欠です。
ご自身での対処法
Yourself
自宅での応急処置はこのRICE処置を行ってください(怪我の直後・練習後)。15-20分を目安に、痛みがある箇所に対して行っていきます。野球肘はリハビリで可動域・筋力を回復させる事が必要になってきます。怪我の原因は様々ですが、特に肩甲骨の動きが悪くなる場合が多いので、自宅では下記のような運動を行うようにしましょう。
【キャット&ドッグ】①四つん這いになる②背中を丸めるようにしならせる③手で床を押すようにし、肩甲骨を横に開く※この時、息を吐きながら腹圧を高める。
当院での施術
Treatment
【アスリート整体】施術+特殊電気治療+リハビリを組み合わせたプログラムです。怪我の発生から日常生活を送れるまでの期間をサポートしています。【アスレティックリハビリテーション】併設のジムで、筋力・柔軟性・コーディネーションなど、競技に合わせたプログラムでリハビリテーションを行っていきます。